1970年代アメリカのハーレーダビッドソン・カスタム完全ガイド

1970年代アメリカのハーレーダビッドソン・カスタム完全ガイド

— 長いフォーク、フレーク塗装、キング&クイーン…“チョッパー黄金期”の美学 —

目次 なぜ“70年代”が特別なのか ベース車とエンジンの傾向 骨格を決める:フレーム・フォーク・足まわり ナロー化の作法:タンク/外装/配線 70sペイント辞典:フレーク&キャンディ 地域別のざっくり傾向(西海岸/東海岸/Frisco) 当時の“定番パーツ”チェックリスト 80–90年代以降との違い(簡潔比較) 今日つくる“リアル70s”再現レシピ(実務向け) 写真アングルと掲載チェックリスト よくある質問(FAQ) 検索で狙えるキーワード例 — CTA:WARRIORZへの相談


1. なぜ“70年代”が特別なのか

  1. カウンターカルチャーの波と映画の影響で自由の象徴=チョッパーが市民権を獲得。
  2. AMF期で中古ベースやアフターパーツ市場が拡大、雑誌とスワップミートが文化を押し上げた。
  3. “走る彫刻”という割り切りとショークオリティの見栄えが同居。

 

2. ベース車とエンジンの傾向

  1. ショベルヘッド(’66–’84)…トルクと存在感。ロングチョッパーの王道。
  2. アイアンスポーツスター(900/1000)…軽量でナロー・チョッパーに最適。
  3. XR系やダートトラックの人気も影響し、アップスイープ気味マフラーや軽量指向が広まる。

 

3. 骨格を決める:フレーム・フォーク・足まわり

フレーム&フォーク

  1. レイク角増し×ロングフォーク(スプリンガー/延長ナローグライド)が象徴。
  2. リジッド/ストレッチ低く長いラインへ。
  3. **モールド(溶接跡やブラケット埋め)**で面を“スムース”に整える。

 

コクピット

  1. エイプハンガー/Zバー/Tバー。電装は最小限&内通配線で清潔感。

ホイール/ブレーキ

  1. 21インチ細身フロント+16インチリアが定番。
  2. 当時はドラムやフロントブレーキ無しも珍しくなかったが、現代の公道では前後ディスク推奨

 

シート&リア

  1. キング&クイーン(ダイヤモンドタック)背の高いシッシーバー、ショートフェンダー。

4. ナロー化の作法:タンク/外装/配線

  1. ピーナッツタンク/スポタンを**ハイマウント(Friscoマウント)**して“細く高い”プロポーションに。
  2. サイドカバーやステーを小型化・撤去し軽さを演出。
  3. 内通配線で見た目のノイズを削減。

 

5. 70sペイント辞典:フレーク&キャンディ

メタルフレーク:ミクロ〜ビッグ粒で面の抑揚を演出。

  1. キャンディカラー:ルートビア、チェリー、ブルー、パープルなど透け感と奥行き
  1. レースペイント(レース生地転写)、パネルペイントピンストライプリーフ(金・銀箔)
レースペイント
レースペイントレース生地のテクスチャを透かし、パープルキャンディにスモークで陰影。 / Lace pattern under purple candy with smoked shading for drama.
  1. フレイムス/スキャロップ/マーブル/スモークなどのテクスチャ。
  1. モチーフはイーグル、星条旗、スカル、ピースサインなど。
  1. オールドスクールスタイル

6. 地域別のざっくり傾向

  1. 西海岸:超ロング、強いレイク、スプリンガー率高め。
  2. 東海岸:タイト&ショート寄り、モールド重視のショー仕上げ。
  3. サンフランシスコ“Frisco”ハイマウントタンク×実用的ミニマルで街乗り最適化。

 

7. 当時の“定番パーツ”チェックリスト

  1. フロント:スプリンガー or 延長ナローグライド/21インチスポーク
  2. ハンドル:エイプ/Zバー/Tバー+細身ライザー
  3. シート:キング&クイーン(ダイヤモンドタック)
  4. リア:ハイ・シッシーバー、16インチスポーク、ショートフェンダー
  5. コントロール:フォワードコントロール、ミニスイッチ
  6. タンク:ピーナッツ/スポタン(Friscoマウント推奨)
  7. マフラー:ドラッグパイプ、アップスイープ、フィッシュテール
  8. 電装:内通配線、ミニヘッドライト、シンプルテール

 

8. 80–90年代以降との違い(簡潔比較)

  1. 70sロング&ナロー×軽量ミニマル、塗装はキラキラでも車体は削ぎ落とす。
  2. 90s〜ファットタイヤ/大径リム/ブレーキ強化で“迫力重視”。
  3. 2000s〜クラブスタイルは性能装備が加速(フェアリング、足回り強化など)。

 

9. 今日つくる“リアル70s”再現レシピ(実務向け)

コンセプト:Long & Narrow, Shiny but Light. 手順(概要)

  1. ベース選定:ショベル/アイアンの素性とオイル・圧縮を確認。
  2. 姿勢決め:レイク角+フォーク長+21/16インチでサイドビューを先に決める。
  3. 削ぎ落とし:不要ブラケット除去→モールド配線内通
  4. 外装フィット:ピーナッツタンク(Frisco)、ショートフェンダー、シッシーバー。
  5. コクピット:エイプ/Zバー、メーター最小化、ミニスイッチ
  6. 塗装(WARRIORZ流):

 

  • 下地整面→メタルフレーク粒度を部位で変化2–3色キャンディのパネル構成ピンスト/リーフをアクセント→厚膜クリア→研ぎ出し鏡面。